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その日の予報は午後から雨でした。

ホームに滑り込んできた電車は既に満員でした。

何とか入り込み、じっとりとした湿気に不快さを感じました。
もう少し遅い電車にすれば良かった。
あるいは、もう一本遅らせたら良かったのではないか?と考えた。

電車が走る音と共に本日は~から始まるアナウンスが入る。

身動きが取れない中する事もなく耳を傾けました。

満員電車を謝り、
傘を忘れないようにと月並みな言葉が続き、
あと2分程で次の駅に到着しますと
聴き慣れない言葉が入り始める。

次の駅に付き、その次の駅に着くまで
また車掌さんのアドリブが入る。

高くもなく低くもなく、
早くも遅くもない、聴きやすいトーンで
車掌さんが気付いたことを優しく語りかける。

途端に不快な状況が心地よい空間に変わり
周りにいた人たちもアナウンスに気付いたのか
張り詰めていた空気がほっと和らいでいく。

目的の駅に着いた頃にはもう
後悔の気持ちは無くなっていました。

むしろ、もう少し乗っていたいと感じている自分がいました。
とても些細な事かもしれませんが
発する言葉の影響力を改めて感じた出来事。

素敵な車掌さんは今日も線路の上で心地よい空間を作っているのでしょう。