9月1日。

学校に行きたくない。
あんなところへ行くなら・・・と思う人生の後輩たちが多い日。

 

今日はカミングアウトをさせて貰います。

わたしは11年間いじめに遭っていました。
幼稚園の年中から中学3年まで。
いじめっ子は代わる代わる居ました。
当時はとても憎い存在でした。そして、可哀想な人だとも感じていました。
今となっては感謝しています。
何故なら、今の仕事に就くチャンスをくれた人たちだからです。

 

4歳までわたしは友達が居ませんでした。
家庭内で育てられ、年中の春から幼稚園に通い始めました。
社会性のない私はかっこうの餌食でした。
階段から落とされたり、仲間はずれにされたり、
ピカピカのランドセルと教科書は1週間もしないうちに泥だらけにされました。
何度も呼び出されてネチネチと嫌味を言われた事もありました。

どうしてこんなことをするのだろう?
泥だらけになったランドセルを背負って家に帰り母親に訊きました。
母は何があったのかを色々聞いた後、
「悲しいね。大丈夫。お母さんは味方だよ。ずっと。」と言って学校に電話をしました。

私にとって母は心の内を聴いてくれる、守ってくれる理解者でした。

辛く悲しいことは11年間続きました。
どうしてそんなことをするのだろうか?という疑問も続きました。
何か意地悪をされるような事をしていないのに、
ただ教室の端っこで本を読んでいるだけなのに、
中学の頃の朝の挨拶は生きていることを否定する言葉でした。

ずっとずっと母は味方で居てくれました。
そんな母から「心理学」という学問の存在を教えて貰いました。
母の本棚にはフロイトやニーチェという人の本がずらりと並んでいました。
世間では「心の闇」について語る大人たちがたくさんいました。
学校を休んで見るワイドショーには「心理学者」とか「精神科医」という人たちが
思い思いの言葉を誰かに向けて発信していました。

小学生のころ私は「シャーロックホームズ」が大好きでした。
学校の図書館にある推理小説を読み漁っていました。
どうして犯人たちはそんな事をするのだろうか?と疑問でした。

いつしか観るドラマも推理ものが多くなりました。
犯人を見付ける、言い当てることよりも、犯人が何故犯行に至ったのかに興味がありました。
そこでもまた「犯罪心理学」という「心理学」と名のつく学問を学んだ人たちが出ていました。

中学の頃。
「心理カウンセラー」という職業に就こうと思いました。
母が私を守ってくれたように誰かを守りたい。
そして、いじめる側の人も救いたい。
もう誰も悲しい想いや苦しい想い、惨めな思いをさせたくないと誓いました。

人を憎んだり、陥れたりすることは・・・
きっと人を叩いた時のように心が痛むことなのだと感覚的に学びました。
次は感覚だけじゃなくて学問的に学んで、
実際「助けて」と言っている両方の人たちに手を差し伸べたい。
それが、心理カウンセラーになろうと思ったきっかけです。

それから十数年後。
わたしにとっての良き理解者である母が他界しました。
世界が真っ暗になりました。
どうして神様は母を選んだのか?憎くて仕方なくなりました。
そう感じている自分がとてもとても弱いことに気が付きました。

どんないじめに遭っても屈しなかったのは私が強かったのではなく、
母が強く支えてくれていたからでした。
その時に初めてカウンセリングを受けようと思い立ち
1度だけカウンセリングを受けました。

情けない自分も、
弱い自分も、
一人ぼっちだと感じている自分も、
全部全部そのカウンセラーさんに話を聴いてもらい安心し、
私もいつかそのカウンセラーさんのように全部を包み込むような
カウンセラーになろうと強く感じました。

カウンセラーって話を聴くだけじゃないって言われるけれど。
本当に話を聴くだけです。
でも、言葉にして心の中から一瞬でも気持ちを出すだけでも楽になれる部分はある。
何より、一生懸命話を聴いてくれる人が居るというだけで
心の底から安心できることがあるんです。

その2つの出来事があって心理カウンセラーになろうと思いました。

「カウンセラーになる」と決めた時のこと(くれたけ#47)

投稿者プロフィール

横地 里奈くれたけ心理相談室 名古屋南支部 心理カウンセラー
名古屋市南部を中心にルーム・カフェ・訪問・オンラインでカウンセリングを承っております。
言葉になるまでの心の声にも耳を傾けています。

趣味は読書と写真と秘密基地探索。

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