ブドウ畑で捕まえて

 

いつも穏やかに笑ってた
その顔しか思い浮かばない程に

 

壮絶な人生を歩んで
大好きな趣味を手放した
静かにコツコツと働いて
引退してからも人が慕って訪ねてきた

誰よりも家族の時間を大切にして
隣で奥さんが笑う写真が家中に飾ってあった

奥さんは何度も2人の馴れ初めを話してくれた
ブドウ畑を自転車で駆け抜けた話が一番好きで2人らしかった
いつだって奥さんは恋をしていた

両親の次に好きな夫婦

奥さんはもう一度先に走っていく背中を追いかける日々
晴れた空の下、あの笑顔が一番似合う空